ものづくりについて

こだわり・哲学

お客様の手元に届くのは、
たった一枚。
その気持ちを忘れずに、
縫い上げます。

こだわり・哲学

当社が手がける一型の枚数は、おおよそ数百枚から数千枚。布を服に仕立てるのが私たちの仕事ですが、その先には着てくださるお客様がいます。実際にその服が着られて立体になった時の、シルエットや服の”顔”は、同じデザインでも縫製技術によって変わるものです。

何枚も同じ服を生み出す中でも、お客様が買うのはたった一枚。だからこそ、一着たりとも妥協せず、縫製に向き合っています。

和歌山のニット歴史

和歌山ニットの歴史は、明治時代に遡る。明治42年に楠本藤楠氏が和歌山県小野市にてスイス製の丸編み機5台でニット生産が起源といわれ、綿起毛メリヤスを初めて生産し大正8年には全国一の丸編メリヤス産地として発展していました。

昭和30年頃から、肌着用の綿メリヤス生地に加え、合繊のメリヤス生地「ジャージ」と呼ばれる生地が開発されて、婦人服・子供服・スポート衣料など大量に使用されて肌着用・外衣用ともにメリヤス生地の一大産地となりました。

現在、日本に流通するニットの99%は輸入品と言われ、産業構造のグローバル化に伴う低価格輸入品が急増し、国内ニット製造業は苦戦を強いられています。和歌山においても同様に厳しい状況があるものの、ニットの魅力を最大限化させる新しい素材・品質・機能の企画・開発を展開して、国内有数のニット生産地としての前進を続けています。

和歌山のニット歴史
上野山縫工所とニット

上野山縫工所とニット

創業当初は布帛の縫製を中心にしていた当社ですが、地域柄もあり、ニット縫製の依頼が多く寄せられるようになりました。ニット生地は「伸びる」ことが大きな特徴です。だからこそ、デザインや利用生地の特性を裁断前から理解して、見極めた上で作業にかかる微細な経験値が求められます。

一朝一夕では得られない職人技になりますが、ニット縫製に従事すること40年。縫製一本でやってきたからこそ積み重ねてきた経験と技術があります。今では依頼の9割以上がニット製品です。今日もより美しい製品を生み出すため、ニット縫製を探求し続けています。

縫製工場

どんな工程も、人の手でだからこそ、一枚一枚を大切に扱っています。
どのように生地が伸び、揺れ、動くのか。

人の身体に纏った時の姿を考え、機材の準備を怠らず、美しく縫いあげます。
検品や検針など、確実に安心な製品をつくるための作業も行われています。

  1. 型紙を決める前に、1stサンプル、2ndサンプル、展示会サンプル、先上げサンプル等、何度もサンプルの縫製を重ねて商品の形が決まっていきます。最終デザインが確定し、原反が入荷したら生地の裁断を行います。

    01裁断
    裁断
  2. 縫製前の準備に、素材に合わせたミシンの調整や、デザインに合わせた特殊ミシンの整備は欠かせません。縫製上の注意点や縫製手順などベテランを中心にスタッフ同士で確認をしてから、いよいよ縫製に取り掛かります。

    工程数の少ない製品で20工程、多い製品では100行程もの工程を経て、生地から洋服の形に製品が出来上がってきます。

    02縫製
    縫製
  3. 必要な場合には縫製後に洗い加工等を施します。そうした製品を含め、スチームアイロン等を使い製品の顔を綺麗に整えます。

    03アイロン
    アイロン
  4. できあがった製品を一枚一枚、検品していきます。

    縫製不良で規格に合わない製品や生地不良の製品は、ここで全て弾かれます。仕上げした製品を袋に入れ、検針をして安全性が確認できたら、運送用ダンボールに入れて納品します。

    04検査梱包
    検査梱包